SEOコンサルの支援範囲は契約ごとに異なり、改善案の提案だけか、制作・修正まで含むかに加えて、確認・公開・公開後の検証を誰が担うかまで確かめる必要があります。
提案書に「制作支援」「実装支援」とあっても、助言や説明を行うのか、実際に文章やコードを変更するのかは、その名称だけでは分かりません。まず依頼する作業を具体化し、SEOコンサル、自社、制作・開発担当の分担を整理しましょう。
提案書の支援名を、実際に行う作業へ置き換える
Googleは、SEO業者が提供するサービスの例として、サイトの内容や構成の見直し、技術的な助言、コンテンツ開発、キーワード調査などを挙げています。すべてのSEOコンサルが、これらを一括して提供するという意味ではありません。
自社の提案書を読むときは、支援名を見て担当を決める前に、どのページに対して、何を調べ、提案し、変更するのかを確認する方法をおすすめします。
たとえば、次は提案内容を具体化するための架空の例です。
- 「コンテンツ支援」:記事構成を作るのか、本文を執筆するのか、既存記事を修正するのか。
- 「ページ改善」:タイトル案を提出するのか、ページを管理する仕組みであるCMSへの反映も行うのか。
- 「技術支援」:問題を指摘するのか、修正案を作るのか、コードを修正するのか。
キーワード調査を依頼する場合も、調査結果を受け取ることと、その結果に基づいてページを変更することは分けて考えます。対象ページと作業が分かれば、誰に何を依頼する必要があるかを検討できます。
改善案の提出・開発担当への説明・実際の修正を分ける
「実装支援」という記載があっても、サイトの修正まで含むとは限りません。ここでいう実装とは、提案された変更を文章、設定、コードなどへ実際に反映することです。
架空の例として、商品ページ内のリンクに不具合があり、ページの共通部分を定めるテンプレートのコードを修正する場面を考えます。SEOコンサルが改善案を作り、開発担当へ説明し、開発担当がコードを修正する分担です。
この場合、開発担当への説明が済んでも、コードの修正が完了したことにはなりません。依頼範囲を確かめる質問例は、次のように分けられます。
- 「開発担当への説明に加えて、コードの修正も依頼範囲に含まれますか。」
- 「開発担当からの修正方法に関する質問は、誰が受け付けますか。」
回答が「改善案の説明まで」であれば、コードを修正する担当を別に確保する必要があります。修正まで依頼したい場合は、その作業を含められるか相談します。
文章や計測設定でも同じ区別ができます。記事構成の納品と本文の執筆、計測方法の提案と実際の設定変更は、それぞれ別の作業です。制作・開発を別会社が担う場合は、その会社へ依頼や質問を送る窓口も決めておきましょう。
内容・動作の確認と、公開の承認・操作を分ける
修正の実行担当が決まったら、修正したものを誰が確認し、誰の判断で公開するのかを整理します。「確認担当」とだけ書くと、文章の正確性を見るのか、サイトの動作を見るのかが曖昧になります。
自社内では、商品仕様などの事業情報を確認する人と、変更案の採否や公開可否を判断する人を決める方法を提案します。そのうえで、修正後の動作確認と公開操作の担当を、依頼先も含めて確かめてください。
たとえば、商品ページの文章を修正する架空の例なら、SEOコンサルが文章を修正し、自社の商品担当が仕様の正確性を確認します。その後、自社で決めた承認担当が公開を承認し、制作担当が公開操作を行う分担が考えられます。
一方、前節のコード修正では、開発担当がリンクの動作を確認することと、自社の承認担当が公開してよいと判断することを分けます。動作確認が済んだことと、公開が承認されたことは別です。
担当が曖昧な場合の質問例は、次のとおりです。
- 「修正後の動作確認は誰が担当しますか。」
- 「公開してよいと判断する担当は誰ですか。」
- 「承認後の公開操作は誰が行いますか。」
同じ人が複数の役割を兼ねても構いません。どの確認と判断を担うのか、公開操作へ進む条件は何かを共有しておくことが大切です。
なお、第三者製ツールの監査に基づいてサイトを大幅に変更する場合、Googleは推奨事項を公式ガイダンスと照合し、自ら判断するよう案内しています。これは特定の社内承認方法を指定する説明ではありませんが、変更案を採用する際に根拠を確かめる観点になります。
作業の分担と対象外を記録し、不明点を質問する
ここまでの区別を、依頼予定の作業に当てはめます。提案書を見ながら対象ページと作業を書き出し、工程ごとに担当者・所属、行うこと、対象外や未決事項を記録してみてください。
以下は、商品ページのリンクの不具合をコード修正で直す場合の、架空の責任分担表です。問い合わせにつながる商品ページにすることを目的としています。実際の分担は、依頼先と自社の体制に合わせて相談してください。
| 工程 | 担当者・所属 | 行うこと/確認するもの | 対象外・未決事項 |
|---|---|---|---|
| 改善案の作成 | SEOコンサル | 対象ページ、不具合、修正案と理由を示す | ページ全体の再設計は対象外 |
| 開発担当への説明 | SEOコンサル | 修正案を説明し、実装時の質問に回答する | 自社の窓口を通じて連絡する |
| コードの修正 | 開発会社の担当者 | 合意した箇所を修正する | SEOコンサルへの依頼には含めない |
| 内容の確認 | 自社の商品担当 | リンク先が案内したい商品情報と一致するか確認する | 商品説明文の修正は対象外 |
| 動作確認 | 開発会社の担当者 | リンクが意図した先へ移動するか、関連する機能に不具合がないか確認する | 確認する端末・ブラウザは未決 |
| 公開承認 | 自社の承認担当 | 修正内容と確認結果を受けて公開可否を判断する | 承認の連絡方法は未決 |
| 公開操作 | 開発会社の担当者 | 承認後に修正を公開する | 公開承認とは別の作業として扱う |
| 公開後の反映確認 | SEOコンサル | 公開ページで修正箇所を確認する | 不具合が残る場合は自社窓口へ連絡する |
| 目的に関わる検証 | SEOコンサル | アクセス解析データを使い、商品ページからの問い合わせ数の変化を報告する | 比較期間・報告時期は未決 |
これは、担当を整理するために本記事が提案する方法です。Googleが定めた標準手順ではありません。作業に当てはまらない工程は、理由を添えて対象外と記録できます。
助言だけを依頼するなら、この例ではコードの修正や公開操作を担う開発担当が別に必要です。反対に、修正までSEOコンサルへ依頼する場合も、内容確認や公開承認、公開後の検証まで含まれるかは、それぞれ確かめます。
公開後は、反映の確認と目的に関わる検証を分ける
公開ページでリンクが直っていることを確かめる作業と、問い合わせ数の変化を見る作業は別です。修正が完了しただけでは、問い合わせが増えたとは判断できません。
公開後の検証を依頼する場合は、誰が、どのデータを使い、何を測って報告するのかを確認します。Googleも、SEO業者への質問例として、期待する結果と時期、測定方法を挙げています。
前の表に未決事項が残った場合の質問例は、「問い合わせ数は、どの期間と比較して報告しますか。」です。回答を受けて、データを用意する人や報告を受ける担当も整理します。
Google検索で最上位に掲載されることは、誰にも保証できません。この点は、合意した修正作業を実施することや、成果物を納品する約束とは区別してください。
未決事項は、回答を得て分担表へ戻す
担当が分からない工程は、「未決」と記録して説明を求めます。質問例は、「今回の依頼に含まれない作業は何ですか。」です。必要な作業が対象外なら、誰が対応するか、見積もりに含まれているかを個別に確認しましょう。
費用、権限、更新・解約など、担当の整理を越えて契約条件全般を確認したい場合は、SEOを外注する前の契約チェックリストも参考になります。
回答を受けたら分担表を更新し、自社の商品担当、承認担当、制作・開発の窓口にも共有してください。依頼先の回答だけでなく、自社側もその役割を引き受けられるかを確かめることで、次の作業を誰に頼むか決められます。


