SEO外注の見積もりは、依頼する作業範囲と比較期間をそろえ、初期費用・継続費用・追加費用の合計と、社内に残る作業を並べて比べます。
月額が低くても、必要な作業が別料金だったり、自社で対応する工程が多かったりすると、支払額や社内の負担は変わります。まず作業範囲と料金の内訳を確かめ、その後に総額と社内作業を整理しましょう。以下の比較手順は、見積もりの条件の違いを把握するための本記事の提案です。
まず、比較する作業範囲をそろえる
最初に、自社が何をどこまで依頼したいのかを整理します。対象のサイトやページ、作業の数量、受け取る成果物、サイトへ反映する担当を、各候補の提案と照合してください。
Googleは、SEO業者のサービス例として、サイトのコンテンツや構成の見直し、技術的な助言、コンテンツ開発、キーワード調査などを挙げています。ただし、個別の候補がどこまで提供し、料金に何を含めるかは、それぞれの提案書や見積書で確かめる必要があります。
例えば記事制作なら、構成作成、執筆、内容の確認、サイトへの入稿のどこまでを依頼するかを整理します。サイト改善なら、調査と改善案の提出までなのか、サイトへの反映まで必要なのかを分けて考えます。
架空の例として、候補Aは改善案の提出まで、候補Bはサイトへの反映までを提案している場合を考えます。反映まで依頼したいなら、Aには実装を追加できるかを確認します。追加できなければ、その作業を自社で担当できるかを検討する必要があります。
提案をすべて同じ内容に変えてもらう必要はありません。自社に必要な作業のうち、各候補が何を担当し、何が社内に残るのかを明らかにすることが比較の出発点です。
月額に含まれる作業と、別料金の作業を分ける
依頼する作業が整理できたら、各作業を見積書の請求項目と対応させます。「記事制作一式」「実装支援」などの名称だけで判断せず、含まれる工程と数量を確かめましょう。
候補ごとに、次の項目を同じ形式で記録すると比較できます。作業の種類ごとに記入し、社内作業はまず作業名を残しておきます。
| 比較表に残す項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 作業の対象・数量 | 対象ページ、記事本数、修正件数など |
| 料金に含まれる範囲 | 調査、制作、確認、入稿、実装のどこまでか |
| 料金区分・金額 | 初期費用、月額内、別料金のいずれかと、その金額 |
| 追加料金の条件 | 対象や数量の追加、修正などで料金が変わる条件 |
| 社内で担当する作業 | 情報提供、原稿確認、承認、サイトへの反映など |
| 確認した文書・箇所 | 見積書や提案書の該当箇所 |
| 追加質問 | 範囲や金額について、まだ回答を得ていない点 |
架空の見積もりに「記事制作は月額内、入稿費は別途」と書かれている場合、記事制作費を月額に重ねて加える必要はありません。一方、入稿費は金額と課金単位の確認が必要です。
この場合の質問例は「入稿費は、どの単位でいくらかかりますか。」です。対象を増やす可能性があるなら、別の質問として「対象ページを追加すると、料金はどう変わりますか。」と尋ねます。
回答のない費用はゼロ円とせず、「金額未回答」などと記録します。料金に含まれる作業、別料金の作業、まだ条件が分からない作業を分けておきましょう。
同じ期間の支払総額を計算する
内訳が分かったら、候補間で共通の比較期間を決めます。その期間に対応する初期費用、継続費用、月額に含まれない作業費、その他の支払費用を、重複しないように足します。
税抜き・税込みの扱い、作業の数量、請求回数、料金が適用される条件もそろえてください。
次は、市場価格や実在する見積もりを示すものではない、架空の計算例です。比較期間を6か月とし、すべて税抜きで、次の条件を置きます。
- 初期費用:10万円
- 月額料金:20万円。記事制作を含む
- 別料金の実装費:月5万円
- その他の支払費用:なし
この場合の支払総額は、次のとおりです。
10万円+20万円×6か月+5万円×6か月=160万円
記事制作は月額に含まれているため、別の費目として加算していません。
作業のたびに料金が発生する見積もりなら、各候補を同じ想定数量で計算します。数量がまだ決まっていない場合は、その仮定を添えた試算として扱ってください。金額不明の費目が残る場合も、確定している金額の合計と未確定の項目を分け、全体の総額が確定したとは扱いません。
また、比較期間を超えて支払いが必要な契約なら、期間内の合計とは別に、その後も必要になる支払いを記録します。比較用の期間を短くしても、契約上の支払義務がなくなるわけではありません。
社内に残る作業を時間で並べる
支払総額の次に、候補ごとに自社が担当する作業と所要時間を整理します。原稿確認、承認、資料の提供、サイトへの反映などについて、実際に対応する担当者へ確認しましょう。
社内で実装する候補と、外注先が実装する候補では、支払額だけでなく社内に必要な時間も変わります。金額と時間を別々に示すと、その違いを判断できます。
前節と同じ架空の例で、社内作業を月12時間と仮定すると、6か月で72時間です。まずは次のように並べます。
支払総額160万円/社内作業72時間
負担を金額でも比べたい場合は、時間単価の設定根拠をそろえて換算します。例えば、この架空の例だけの仮定として1時間3,000円を使うと、72時間×3,000円=21万6,000円です。
この換算額は、追加の現金支出や、そのまま削減できる費用を表すものではありません。支払総額とは区別して併記してください。所要時間を推定した場合も、実績と取り違えないよう、推定であることと見積もった作業を記録します。
回収まで試算するなら、問い合わせと受注を分ける
費用を回収できるかも検討したい場合は、問い合わせから受注までの自社データを使います。問い合わせは受注とは異なるため、問い合わせ件数に受注1件当たりの粗利を直接掛けることはできません。
単純化した試算では、次のように分けます。
追加問い合わせ数×問い合わせからの受注率×受注1件当たり粗利=追加受注による粗利の試算額
この試算額を費用と比べるには、SEOによる追加問い合わせを識別できるか、問い合わせから受注までにどの程度の時間差があるかを確認し、対象期間をそろえる必要があります。粗利の計算に含めた費用を、回収対象の費用にも重ねて計上しないよう、費目も照合します。
架空の例として、問い合わせ件数だけが分かり、その後の受注を追えていない企業では、仮の受注率を入れて回収時期を出すのではなく、まず問い合わせと受注を対応させた記録を確認します。必要なデータがなければ、回収時期の判断は保留し、見積もりの総額と社内作業の比較を進めましょう。
不明点を質問し、依頼後に何をいつ確認するかを相談する
比較表を作ったら、判断を妨げている未回答項目を候補へ尋ね、回答に応じて範囲・金額・社内作業を更新します。実装が別料金だと分かれば支払総額を計算し直し、自社で担当するなら社内作業時間を見直します。
そのうえで、依頼後に何を確認するかも相談しておきましょう。Googleは、SEO業者への質問例として、期待する結果と時期、測定方法、連絡方法、サイト変更の内容と理由の共有などを挙げています。
本記事では、作業の完了と、目的に関わる指標の変化を分けて記録する方法を提案します。例えば、商品ページからの問い合わせを増やしたい場合でも、ページを変更した記録だけでは、問い合わせが増えたかどうかは分かりません。
相談するときの質問例は、目的ごとに分けられます。
- 作業の確認:「サイトに反映したページの一覧は、いつ共有してもらえますか。」
- 問い合わせ数の確認:「検索経由の問い合わせ数は、どのデータで確認しますか。」
回答を受けて、作業記録を受け取る時期と、問い合わせ数の変化を検討する時期をそれぞれ相談します。確認する資料・項目・時期を合意しておけば、作業が終わったかと、目的に近づいたかを分けて話し合えます。
費用比較を終えて契約文書の確認へ進む際は、追加費用や更新・解約の条件を扱うSEO外注の契約前チェックリストも参照できます。

