AIで作った記事の下書きは、数字・料金・制度・サービスの提供状況・引用・URL・比較条件を優先し、元資料の記載、適用条件、情報の時点を確認します。本文だけでなく、タイトルや説明文、図の数字、画像の代替テキストに含まれる断定も対象です。
まず裏付けが必要な主張を拾い、資料と照合してから、残す・修正する・削除または保留する判断へ進みます。以下の優先項目と作業手順は、公開前の事実確認を具体化するための本記事の提案です。Google指定のチェック表ではありません。
まず、裏付けが必要な主張を拾う
下書きを読み、読者が利用や購入、制度への申請などを判断する根拠になる記述に印を付けます。数字や料金だけでなく、「誰でも使える」「対象地域に制限がない」といった断定も確認対象です。
一文に複数の主張があれば、分けて扱います。たとえば、次の文章は架空の下書き例です。
「サービスAは無料で、どの地域でも利用できます」
この文章には、「無料で使える」と「どの地域でも利用できる」という別々の主張があります。前者は料金やプランの資料、後者は提供地域の資料で確認します。タイトルにも「完全無料」と書かれていれば、その表現を併せて拾います。
本文以外では、ページタイトル、メタディスクリプション(検索結果などで使われる説明文)、図の数字、alt(画像の内容を伝える代替テキスト)を見ます。構造化データという、検索エンジンにページの情報を伝える形式を使っている場合は、そこに含まれる事実も対象です。
GoogleはAI利用を一律に禁止するのではなく、正確性・品質・関連性を重視しています。AIの出力には誤りが含まれる可能性があるため、公開前に人が事実確認することを重視し、タイトルやメタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストにも確認を適用しています。
出典:Google検索セントラル「生成AIによるコンテンツを使用するためのガイダンス」
また、Googleのコンテンツ自己評価には、情報源が明確か、明らかな事実誤認がないかという観点があります。読みやすさだけで公開を決めず、主張を支える資料までたどることが大切です。
出典:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
一次資料の条件と時点を照合する
拾った主張ごとに、一次資料へ戻ります。一次資料とは、その情報を発表・管理している機関や事業者などの元資料です。料金なら事業者の公式料金ページや規約、制度なら所管機関の案内、調査の数字なら元の調査報告書を探します。
資料が見つかったら、下書きの主張を支える箇所を読み、次の点を照合します。
- 数字:単位、調査対象、集計期間、算出方法が一致しているか。
- 料金:プラン、通貨、税込・税別、支払い周期、地域、適用時点が一致しているか。
- 制度:対象者、施行日、地域・管轄、例外を正しく説明しているか。
- 提供状況:対象地域と、提供開始・終了の時点を踏まえているか。
- 引用:原文や公式記録で、発言者、引用部分、前後の文脈を確認できるか。
- URL:実際に開くと意図した資料に到達し、その資料が主張を支えているか。関連記事へ案内する内部リンクも、実際のリンク先を確認します。
- 比較:双方の対象、機能、期間、料金の計算条件などがそろっているか。
URLが開くことと、そのページが記述の根拠になることは別です。資料に似た言葉があっても、対象や条件が違えば、そのまま下書きの裏付けにはできません。
たとえば架空の料金比較で、サービスAは年払い時の月額換算、サービスBは月払いの料金だったとします。そのまま「Aのほうが安い」と書かず、同じ支払い条件の料金を探します。条件をそろえられなければ、比較の結論を見直します。
日付も分けて扱います。資料の公開日・更新日、制度や料金の適用開始日、自分が確認した日は、それぞれ意味が異なります。更新日が新しくても、別の地域やプランの情報なら根拠にはなりません。ページを閲覧・取得した日を、本文の更新日として扱わないようにします。更新日が分からない場合は、現行の案内や適用日を確かめ、現在も使える情報か判断できなければ確認を終えたことにしません。
AIに再質問して同じ回答が返っても、それだけで検証済みにはしません。AIが示した出典も、実在するか、原資料が回答を支えているかを人が照合します。
根拠に合わせて、残す・直す・削除する
資料との照合ができたら、主張ごとに処置を決めます。本記事では、次の判断方法を提案します。
- 残す:資料が主張全体を支え、対象・条件・適用時点も一致している。
- 修正する:一部だけ確認できたため、裏付けのある範囲に限定する。
- 削除または保留する:資料が見つからない、適用時点が分からない、資料間の食い違いを説明できない。
先ほどの架空のサービスAで、文書の作成機能だけが無料プランの対象だと確認できたと仮定します。この場合は、「サービスAは無料です」ではなく、「サービスAの文書の作成機能は、無料プランで利用できます」と修正します。利用上限など、読者の判断に必要な条件があれば併記します。
提供地域を確認できなければ、「どの地域でも利用できます」は削除します。ただし、その記事が「自分の地域で使えるか」を答えるための記事なら、地域の記述を削るだけでは読者の疑問が残ります。その点を確認できるまで、記事の公開自体を保留します。
料金比較でも、条件がそろわなければ安さの結論を外すか、確認できた条件に限って説明します。出典を付けるだけで、条件の異なる比較が成立するわけではありません。「おそらく」「と思われます」と弱めるだけで、裏付けのない主張を残すことも避けます。
判断を記録し、公開するページに反映する
確認した根拠と編集判断を後からたどれるよう、主張、確認日、出典と該当箇所、条件・適用時点、処置を短く残します。次は、サービスAを使った架空の記録例です。日付やURLには、実際に確認した情報を記入します。
- 主張:サービスAは無料で使える。
- 確認日:実際に資料を確認した日。
- 出典・該当箇所:確認した公式料金ページのURLと、無料プランの説明箇所。
- 条件・適用時点:文書の作成機能が対象。利用上限と、料金条件が適用される時点も記録。
- 処置:無料プランの対象機能に限定して修正。
記録欄を埋めたことと、主張の裏付けが取れたことは別です。確認できなかった条件は編集用の記録に残し、公開する文章には、裏付けのある説明だけを反映します。
最後に、修正した主張がページ全体で一致しているかを見ます。本文を無料プランの対象機能に限定したなら、タイトルの「完全無料」や図、画像の代替テキストに同じ断定が残っていないかを点検します。図に移した数字も、本文と同じ資料・条件で照合します。
構造化データを使っている場合は、事実の一致に加え、関連するガイドラインや個別の検索機能のポリシーへの適合も確認します。これはGoogleが示している確認事項です。
出典:Google検索セントラル「生成AIによるコンテンツを使用するためのガイダンス」
専門分野の条件を担当者だけで判断できず、外部支援を検討する場合は、主張・元資料・判断できない条件を整理して、その分野の専門家や編集支援へ相談してください。

