Search Consoleで表示回数はあるのにクリックされないときは、まず対象ページ・検索語・端末・検索タイプをそろえ、比較できる期間の表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位を確認します。
表示回数があるだけでは、タイトルを書き換えるべきとは判断できません。比較できる過去データがなければ、現在の条件と数字を記録するところから始めます。
その後、検索語から読み取れる疑問に本文が答えているか、その答えが検索結果で伝わるかを確かめ、変更するか保留するかを決めます。この確認順は、Googleの指標説明と比較分析の案内をもとにした編集部の提案です。
1.対象ページを絞り、比較する条件をそろえる
サイト全体のCTRには、異なるページ・検索語・端末の数字が混ざっています。サイト平均が低いという理由だけで、気になる記事のタイトルを原因と決めないようにしましょう。
検索パフォーマンス レポートで対象ページのデータに絞り、そのページがどの検索語で表示されているかを見ます。検索語はレポート上の「クエリ」、端末は「デバイス」に当たります。検索タイプは、ウェブ・画像・動画・ニュースなどの区分です。
レポートでは、これらの分類でデータを確認し、期間や検索タイプを変更できます。
出典:Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」
気になる検索語を一つ選んだら、端末と検索タイプも固定して、次の四つを確認してください。
- 表示回数:検索結果への掲載がカウントされた回数です。
- クリック数:検索結果からサイトへのリンクがクリックされた回数です。
- CTR(クリック率):クリック数÷表示回数です。%で表すときは100を掛けます。
- 平均掲載順位:選択したサイトやページについて、各表示での最上位の掲載順位を平均した値です。
表示回数は、リンクを画面上で見て内容を読んだ人数を示すものではありません。通常の検索結果では、リンクの位置までスクロールされなくてもカウントされる場合があり、結果の形式によって条件が異なります。
出典:Google Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」
Googleは、検索トラフィックが減った場合の分析として、類似する期間の比較や、クエリ・URL・デバイス別の変化、検索タイプごとの確認を案内しています。
これを踏まえ、編集部では、比較する期間の長さをそろえ、曜日構成や季節性の違いも確認する方法を提案します。たとえば、連休を含む期間と通常の期間では、同じ日数でも条件が異なる可能性があります。
出典:Google 検索セントラル「Google 検索トラフィックの減少をデバッグする」
メモには、ページURL・検索語・端末・検索タイプと、比較する各期間の開始日・終了日を書きます。その条件で四つの指標を二つの期間分、横に並べてください。データがない欄は空欄のままにします。過去との比較ができない場合は、現在の一期間だけを記録し、増減の判定は保留します。
2.CTRだけでなく、表示回数とクリック数の組み合わせを見る
条件をそろえたら、率だけでなく実数を見て、次に何を調べるかを選びます。以下は編集部が整理した確認の進め方であり、数字の組み合わせだけで原因が確定するわけではありません。
表示回数とクリック数がともに減っている場合は、検索結果への表示機会がどう変わったかを先に調べます。対象検索語の平均掲載順位が変わったかを確認してください。表示回数が減ったことだけで、検索する人が減ったとは断定できません。
ページ全体でも減っているかを調べるときは、検索語の絞り込みを外し、ページ・端末・検索タイプ・比較期間を保ったまま、検索語別の表示回数を見ます。どの検索語からの表示が減ったかを分けるための確認です。
表示回数がほぼ変わらず、クリック数が減っている場合は、掲載順位の変化を確認したうえで、検索結果のタイトルや説明文、周囲の結果を調べます。検索結果の説明文は「スニペット」と呼ばれます。
Googleはこの場合、タイトルやスニペットからページ内容が伝わっていないことや、他サイトのリッチリザルトが魅力的であることを可能性として挙げています。リッチリザルトとは、画像や評価などを伴う検索結果です。また、検索結果の上位では、わずかな順位低下でも表示回数が大きく変わらずにトラフィックが減る場合があります。タイトルだけに原因を絞らず、順位と周囲の表示も見る必要があります。
出典:Google 検索セントラル「Google 検索トラフィックの減少をデバッグする」
表示回数が増え、クリック数はゼロより多いものの横ばいの場合は、計算上、CTRが下がります。CTRの低下とクリック数の減少は分けて捉えてください。
ページ全体のCTRが下がっているなら、検索語別の表示回数の割合も確認します。クリックされにくい検索語からの表示が増えれば、各検索語のCTRが変わらなくても、ページ全体のCTRは下がり得ます。この確認は、一つの検索語に絞った比較とは分けて行います。
比較期間がない場合や、両期間ともクリックがゼロの場合には、「クリック数が減った」ときの説明をそのまま当てはめません。クリックがゼロなら、表示回数が増えてもCTRはゼロのままです。数字が横ばいでも、クリックが少ないと感じるなら、次の節で検索語とページ内容の対応を確かめます。
少数のデータでは、一件のクリックによって率が大きく動きます。架空の計算例では、表示回数20回・クリック0回ならCTRは0%、表示回数20回・クリック1回なら5%です。この20回や5%は、判断に必要な表示回数や合格点を示すものではありません。
計算の根拠:Google Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」
最新データが暫定値として表示されている場合は、その後変動する可能性もあります。一律のCTR合格点で良し悪しを決めず、データが少なく判断できないときは、原因未確認として残してください。
出典:Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」
3.検索語の疑問に本文が答え、その答えが検索結果で伝わるか確かめる
タイトルを変える前に、検索語から推測した読者の疑問と、本文にある答え、検索結果で伝わる内容を照らし合わせます。内容が伝わっていない可能性を調べるための、編集部の提案です。
読者の問い ↔ 本文の答え ↔ 検索結果の表示
検索語から読み取った意図は、まだ仮説です。まず、読者が何を知りたくて検索したと考えられるかを短く書き、その疑問に答えている本文の箇所を探してください。
架空の例として、「請求書 保存期間」という検索語で表示されるページを考えます。保存期間を知りたいという仮説に対して、本文が保存方法だけを説明しているなら、期間が分かるタイトルに変える前に、ページの内容や、その検索語を対象にすることが適切かを検討します。
一方、本文には保存期間の説明があるのに、タイトルが「請求書の保存方法」だけを示しているなら、期間も分かる記事であることを正確に伝えるタイトルを変更候補にできます。本文にない答えをタイトルで約束しないことが判断の軸です。
この照合は、Googleが説明する「タイトルやスニペットから内容が伝わっていない可能性」を調べるためのもので、公式に指定された操作手順ではありません。
出典:Google 検索セントラル「Google 検索トラフィックの減少をデバッグする」
次に、対象の検索語を、分析した端末・検索タイプに合わせて検索してみます。自分のページのタイトルと説明文から何が分かるか、周囲にはどのような内容や形式の結果があるかを観察します。平均掲載順位の数字だけでは、画面上の位置や目立ち方までは分かりません。
出典:Google Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」
検索結果は、日時・場所・端末・検索履歴などによって変わります。検索語・端末・検索タイプ・確認日時・地域をメモし、その時点で見えた表示として扱ってください。一回の検索で、過去の表示や平均掲載順位を再現できたとは考えないようにします。
出典:Google Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート」
本文には答えがあり、検索結果では伝わりにくいなら、タイトル変更を候補にします。本文に答えがなければ内容の対応を検討し、どちらか判断できなければ保留します。比較データがない場合でも、この内容の照合はできます。
4.変更または保留の理由を残し、同じ条件で見直す
変更すると決めたら、今回は何を変えるかを一つに絞り、実行前に記録を用意します。複数の変更を同時に行うと、後で数字が動いたときに理由を区別しにくくなるためです。
次の三つに分けると、記録しやすくなります。
- 何を、なぜ変えるか:変更対象、変更前後の文言、理由、変更日を残します。
- どの条件で比べるか:ページURL、検索語、端末、検索タイプ、各比較期間と、表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位を残します。
- いつ、何を見直すか:再確認予定日と、次に確かめる点を書きます。
先ほどの架空の例なら、変更対象はタイトル、理由は「本文にある保存期間の説明をタイトルでも伝えるため」と記入できます。変更前後の文言を残し、日付や実測値、再確認予定日は実際の作業に合わせて入力してください。
保留する場合は、何が足りないかを書きます。たとえば比較期間のデータが不足しているなら、その不足と、次に同じ条件で数字を見直す予定を残します。
一つに絞る変更方法とこの記録様式は、Googleの比較分析の案内をもとにした編集部の提案です。
出典:Google 検索セントラル「Google 検索トラフィックの減少をデバッグする」
再確認時は、記録した条件で四つの指標を比較します。掲載順位や、ページ全体の表示をもたらす検索語の構成にも変化がないかを点検してください。クリック数やCTRが上がっても、それだけでタイトル変更の効果とは断定できません。
再確認予定日は、見直しを忘れないための作業予定です。タイトル変更後に何日待てば効果を判定できるかを一律に決めるものではありません。データが少なく判断できなければ、効果未確認として残し、観測を続けます。
外部支援を検討していて、条件をそろえても切り分けが難しい場合は、比較記録・対象ページの本文・変更履歴・検索結果の観察記録を整理して相談材料にすると、どこまで分かっていて何が未確認かを伝えやすくなります。


